亜霊
「咆吼」
一昨日の近況で「ストレスが溜まっていて、サバンナのど真ん中で、夕焼けの空にそびえる積乱雲に向かって咆吼したい気分!!」と書いたのですが、その心境に近い落描きがあったのでアップしてしまいました。サバンナではなく川の中ですが。 まあ、その積乱雲が襲来して、滝のような雨に打たれてズブ濡れになりながら、豪雨の音にかき消されないくらいの大声で絶叫したい気分でもありましたから、状況は似たようなものかも。 これを描いた時も確か酷くストレスが溜まっていて、思いっきり怒鳴りたかったけど、家の中や道端で叫ぶと警察に連れて行かれそうな気がしたので、代わりに紙の上で爆発させて発散した記憶があります。 落描きが描けるうちはまだ大丈夫なんですが、それすら描けなくなる時は、心の持って行き場所が無くて結構しんどいです。 余談ながら、これを描いた時のBGMが、エリック・クラプトンの「いとしのレイラ」。あの噴き上がるような歌声が溜まらなく好きなのですが、あの歌って、友人の奥さんを愛してしまった激しい苦悶の歌なんですね。 |
下の落描きは、上の絵の直前に描いたもの。どうにも想いのやり場が無くて、真夏でも数分浸かっているだけで唇が紫色になるほど冷たい川の水で、顔を力任せに洗って、水飛沫(みずしぶき)と共に、うるさくまとわりつくものを振り払いたかった、というところでしょうか。 |
これも余談ですが、子供の頃、近所にはプールなど何処にも無かったので、夏休みになると毎日、近所の皆と一緒に、家の前を流れる川で昼から夕方まで、身体がふやけるくらい泳ぎまくっていました。 それこそすぐに唇が紫になるほど冷たい川で、水から上がっては、炎天下で火傷しそうに熱くなった大きな岩に貼りついて身体を温めて、またすぐ飛び込んで遊ぶ・・・の繰り返し。 得意だったのは、数mはあろうかという深い淵へ白い石を投げ、潜って取って来る事で、しょっちゅう友達と競争して遊んでいました。あとは浮き輪に乗って激流下り。放り出されて溺れそうになった事は数知れず。 今でもあんなに楽しかった記憶は他に有りません。残念ながら今その川は、上流の工事現場から流れてきた土砂の所為で、殆どが浅瀬ばかりになり、深い淵も激流も無くなってしまって、子供が思いっきり遊べる場所は無くなってしまいました。 その後、中学にもプールが無く、高校で初めてプールの授業があったのですが、愕然としました。私、泳げなかったんです、殆ど。あれほど毎日、川童の子供のように遊び呆けていたのに何故!? ともかく、流れない水があんなに重いものだとは、正直言って齢15にして初めて身を以て知りました。まるで鉛の中を泳いでいるかのよう。 でも、川で潜って遊んでばかりいた所為か、息を止めて水中を泳ぐのは楽だったのですよ。自由形で鼻まで覆う水中眼鏡をして、75mずっと潜水でやれと言われたら喜んでやったのに・・・。 大 学でもろくに泳げないままで、授業ではやっぱり悲惨な目に遭いましたが、体育科の友人で、スポーツ万能でスタイル抜群の物凄く格好いい女の子が、思いっき りカナヅチだと知った時は、「それなら史学科の私が泳げずとも恥ではない!」と無理矢理納得できて嬉しかったです(いいのかそれで私!) |
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