土方歳三
「誰が鬼だ

言わずと知れた新選組の「鬼の副長」土方歳三。有名な洋装の写真を参考にしたのですが、容姿がはっきり判っている人を描くのって難しいです。写真よりも伏し目がちにしたら、「鬼副長」なのに仏像のような半眼になってしまいました。
「鬼」には「人並み外れた恐るべき能力の持ち主」と言う、畏怖と賞賛の意味もありますし、何より私は鬼が大好きなので、土方さんが「鬼」と呼ばれるのは嬉しいのですよ。

私は男の人の髪型では、短く刈り上がった頭と、ライオンのようなフサフサした髪をオールバックにしたのが好きなんですが、この落描きを描いていたら、オー ルバック好きは、高校の時に初めて見たこの土方さんの写真の所為だったんだと気付いて、我ながらちょっとビックリ。そ、そうだったのか私・・・。

もう随分長い間、新選組から離れていたのですが、イメージの刷り込みって凄いんだなあ・・・(鳥の雛が最初に見たものにくっついて歩くのと同じレベルか私は)。

それにしても機嫌悪そうですねこの顔・・・戦の事を考えているのか、俳句をひねっている処なのか・・・。土方さんは「豊玉」という号で句集を残していますが、その中に、

「しれば迷ひ しなければ迷はぬ 恋の道」

というのがあって、思いがけず微笑ましいと言うか、可愛い処があって嬉しくなるのですが、それを改作した、

「しれば迷ひ しらねば迷ふ 法の道」

と いう句があるのを知って、「ああ、歴史をやっててもそうだよ、土方さん」と思わず呟きたくなりました。好きな人を追いかけて歴史の世界に入り込むと、知れ ば知るほど道に迷い、解らぬまま放っておけば、更に時の挟間で立ち往生してしまうので・・・。うーん、迷いながらでも道を探す努力をしないと・・・。

 


上の絵の後、ブログ用に描いた落描きも貼っておきます。どれも顔が怖い。

ホームへ