五十狭芹彦(いさせりひこ)・温羅(うら)
「年代が違〜う!!

五十狭芹彦・温羅

このところずっと、古墳時代の短甲の編年を検討しておりまして、何故そんな事をやっているのかと言いますと、きっかけはヤマトタケル 蘇る古代の英雄とその時代」という展覧会で観た、鉄製の盾を使って落描きを描いてみようと思った事だったのですが(落描き「短甲武人」で描いてみましたので御覧下さいませ)、もう1つの大きな理由が、ラフコンテのまま止まっている古墳時代の漫画『桃童遺聞』を、いつかきちんと描き上げる時に、甲冑の年代を間違えないようにしたかったからなのです。

この漫画は孝霊天皇崇神天皇の時代の話で、4世紀の設定なのですが、ここに載せているラフを描いた時点では、短甲の色んな種類の載っている資料は持っていたものの、細かい年代を記したものが無くて、うっかり5世紀の甲冑を着せていました。ラフでは何処がどう違うのかちょっと判り辛いですが・・・古い絵で、しかも何度もコピーを重ねたものなので、線が汚くてお目汚しで済みません。

編年をやり終えたら、その辺の違いの良く判るような落描きを描こうと思っていますので、今暫くお待ち下さいませ<(_ _)>

五十狭芹彦・温羅

甲冑を着ているのが、崇神天皇の命令で、吉備を制圧に来た倭(やまと)の将軍「五十狭芹彦(いさせりひこ)」。押し寄せる軍勢を1人でなぎ倒しているのが「温羅(うら)」。温羅とその一族は、戦渦を避けて朝鮮半島から渡来し、吉備の王のもとで製鉄を行っていて、それを狙った崇神が兵を差し向けたのでした。
右下の3人は、
五十狭芹彦の副将、犬飼建(いぬかいたける)名方古世(なかたこせ)留霊(とめだま)

五十狭芹彦・温羅

左端のコマは鉄を作っている温羅。炉の中に木炭と砂鉄を入れて風を送り、融かして大きな鉄の塊にする作業です。古代の製鉄についても、このラフを描いてから新しい資料を色々と見つけたので、また勉強し直さないと・・・。

五十狭芹彦・温羅

右上の女の人は、温羅たちが住処として与えられた村の長の娘、狭霧媛(さぎりひめ)。巫女さんです。ストーリーの展開上、どうしても出さねばならないとは言え、女性を描くのは滅茶苦茶しんどいです。右下の温羅の横にいるのは、弟の王仁(わに)

五十狭芹彦・温羅

一番上の五十狭芹彦は16歳、他は25歳くらい。眼だけしか描いてないのは崇神天皇

五十狭芹彦・温羅

右上の五十狭芹彦も16歳。弓の名手と言う設定。左下は12歳くらいの時。悍馬を手なずけようとして、稲田に突っ込んでいるところ。右下は犬飼建。犬を一杯飼ってます。

この話は、五十狭芹彦が 赤子の頃から始まって、吉備で一生を終える迄を描こうとしているので、かなり長くなります。4話目迄はラフが出来ているのですが、5話目で戦乱シーンを描 いていて、陣立てやら戦略やらが上手く描けず、実際に岡山へ行って地形や史跡を見て回ったのですが、難しくて四苦八苦しているうちに、色々アクシデントが あってものが描けなくなって、以来ずっとそこで止まったままになっています。日本の戦国時代や中国の三国志の時代の戦術戦略などを書いた本を、もう一度あ れこれ読み直さないと・・・。うーん、諸葛亮孔明みたいな軍師が欲しい・・・姜維でもいいけど・・・。

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