善彦
「出番」

恐ろしく古い絵で雑だなあ・・・真夏らしい絵なので無理矢理アップ。

落描きに既に登場しているオリジナルキャラ「亜霊」にそっくりな、この「善彦」は、いわば「亜霊」の原形になったキャラ。「亜霊」とは眉の形と、額の傷の有無、座敷童子か人間かの違いがあるのですが、簡単な絵だけでは区別が付きにくいですね(^^;)

随分前、某少年誌の担当に、この「善彦」と、同じオリジナルキャラの「百鬼(なきり)」とが出て来る140ページ近い漫画のラフコンテを描いて見せたのですが、「長すぎるから、この2人の少年を使って別の話を描いて」と言われ、作り直したのが100ページのホントに全然違う話。ストーリーの内容も登場人物も全く変えてしまいました。
このとき主人公の「百鬼」の設定だけは、ほぼ同じだったんですが、「善彦」はそのままでは使えなかったので、かなり設定を変えて「亜霊」という似て非なるキャラを創りました。その所為で、後でこうして説明する場合に非常にややこしい事になっているんですが・・・。
結局新しく描き起こしたラフも没になって、こいつらは未だに世に出るのをずっと待っています(うちのキャラはそんな奴ばっかりなんですが)。早く思いっき り動かしてやらないとなあ。紙の上だからずっと子供のままで居るけど、人間ならとっくに大人になってるよ・・・。

善彦

善彦」 の出て来る話は、夏真っ盛りの山奥の村が舞台。喧嘩相手の「百鬼」共々、年齢は12歳に設定してあります。これくらいの年頃の男の子は、真夏は真っ黒に日 焼けして、真っ白なランニングシャツと短パンに麦わら帽子で、山や川を遊び回っていて欲しいなあ。夏こそ子供の出番、って気がするんだけど。
田舎育ちの私が小学生の頃は、塾もゲーム機も娯楽施設もな〜んにも無くて、とにかく自然の中で遊び呆けていました。人生で一番幸せな時期だったかも知れません。

・・・ところで最近のゲーム機のCMに、田舎の道端で爺さん2人が「孫が来るからゲーム機を買ったよ」と話しているのがありますが、これを見るたびに「せっかく田舎に来るのにゲームなんかやらせるなよ!!」と叫んでます私
ゲームをこなすどころか、コントローラーも満足に扱えないようなお年寄りは、馬鹿にされるだけなんじゃないかなあ。そんな事までして子供の機嫌なんか取る よりも、虫の捕まえ方や魚の釣り方を教えてやって、「爺ちゃん凄え!」とビックリさせてやった方が、その子にとって、お金では絶対に買えない、幸せで素敵 な経験になるだろうに、と思ってしまうのですが。
生の自然を全身で感じる事と、その中で生きる智恵を持っている、人生の大先輩を尊敬出来る機会を、みすみす奪ってしまうのは惜しいし、そんな事ではこの国に生きる人たちの行く末が案じられてならないのですが・・・。
「うるさいけど孫は可愛いもんねえ」などと言ってるけど、高いゲーム機を買い与えてやらせ放題にやらせておくのが可愛がる事なのかなあ?それとも「うるさ いからゲームやらせとけば、静かで放っといてもいいから楽」と思っているのだろうか・・・まあ、力の有り余る子供の相手をするのは、色々と疲れるから仕方 ないかも知れないけど・・・。

い ずれにせよ、子供の居る世帯にはゲーム機が相当普及してしまい、今後の売り上げが頭打ちになるのを恐れたメーカーが、これまで全く需要の無かった田舎の高 齢者世帯に、「孫」を餌にゲーム機を買わせようと言う魂胆が見え見えで、凄く嫌な気分にさせられるCMです。私の考え過ぎかなあ。

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