梵天(ぼんてん)(奈良・秋篠寺)

奈良の秋篠寺では、技芸天が有名ですが、この梵天も力強くて素敵です。

梵天は二臂(にひ)(腕が二本)のものと四臂(腕が四本)のものがありますが、古くは二臂で中国風の服を着た立像が多いです。四臂のものは、密教の梵天像に多いです。

梵天は梵名をブラフマーといいます。ブラフマーとは、世界創造の根本的・絶対的な原理を意味する抽象的な言葉です。それを神格化したのが世界創造神の梵天で、ヒンドゥー教では最高神になっています。仏教では、仏教的世界観の「色界(しきかい)」の初禅天(しょぜんてん)の第三天の主とされ、帝釈天(たいしゃくてん)と同じく仏法守護の主要尊となります。梵天帝釈天は一対で置かれることが多く、東大寺二月堂の日光月光菩薩も、衣の下に鎧を着ていたりするので、実は梵天帝釈天だろうと言われています。

な お、「色界」とは、三界(色界・無色界・欲界)のうちの一つで、欲界のような食欲・性欲などの煩悩には執着しないものの、無色界のような純精神的なもので はなく、中間の物的世界で、色法(物質・肉体)には執着する世界です。・・・って書いても良く解りませんね。もっと判りやすい解説書があったのに実家に置 いてきてしまいました。また探しに行かなきゃ・・・。

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