兵馬俑
「お兄さん可愛い♪」

兵馬俑

昨日、近くの古書店で、秦の始皇帝の兵馬俑の写真集を見つけました。中国で発行された日本人向けの本で、いい写真が凄く沢山あって嬉しかったので思わず買いました。で、これはそれを見ての落描き。

四角い板を鋲と紐で綴ったシンプルな鎧。階級が上の人物になると、鮮やかな模様入りの縁取りが付いていたりしますが、基本的には余り凝った感じの鎧はなさそうです。

冠や靴などの小物にも色々な形があるのですが、その中に可愛い靴紐の結び方をしているのを見つけました。こんなの欲しいなあ。

で、もっと手が込んでてビックリしたのが髪型!正面からだと単純に頭の上でお団子状に結ってあるようにしか見えなかったのですが、後ろから見たらこんなのが一杯!

兵馬俑

左上のは、太く平たくした髪を交互に編んであります。農作業で摘んだトマトとかを入れる為に、腰に付けておく青や黄色の太いビニールテープで編んだ籠みたいな感じ(例えが変?)。そういやこんな感じの細長いメロンパンを食べた事があったなあ。

右下は両脇から編んだ三つ編みを、後ろ中心の下から編み上げたものに巻き止め、全体を頭の上でお団子に結ってます。天辺のど真ん中よりもちょっと脇にずれた位置でお団子にしてますね。
これを描いていて、何だか奈良の東大寺戒壇院の四天王を思い出しました。四天王は三つ編みしてないんですが、このうなじの辺りの色っぽさみたいなのが似てるんじゃないかと・・・。見方が邪
(よこしま)だなあ、いつもながら。

(追 記・・・後で戒壇院の四天王像の載っている本を確認したら、肉付きが良すぎて殆ど首がない状態でありました。頭に残っているイメージだけで ものを言ってはいけません。でもホントに描いてて四天王を思い出したのですよ。腰が細かったので、その印象が強かったのかも。)

しかしこんな凝った髪型、戦場で誰に結って貰ってるんでしょうね。1人2人だけじゃなくて、みんなやってるみたいなんですよ。専任の美容師さんとか連れてってるのかなあ。互いに結いっこしてたら可愛いかも・・・。結うのが上手い兵士のところに行列が出来たりして。

・・・そういえば以前、落描きの「縄文人」 を描いた時に、モデルにした土偶は女性と書いてあったのを、個人的な趣味で(笑)男にしてしまったものの、「男でこんな凝った編み込みの髪型するのはやっ ぱりちょっと無理があるかなあ?」と思ったんですが、何だ、中国にもいるじゃん可愛い髪型のお兄さんがぞろぞろ!・・・嬉しかったです。

なお、上の落描きでは描いてませんが、多分殆どみんな口髭や顎髭が生えてます。試しに生やしてみたら可愛くなかったので却下。落描きだからまだいいけど、きちんとした作品を描く場合は、このへん疎(おろそ)かにしちゃ駄目ですねホントは。

・・・それから、兵士だけじゃなく馬もお洒落です。馬具が凝ってます。

兵馬俑

他にも顎下や額に豪華な房飾りが付いていたり、手綱が金銀の金具を繋げた煌びやかな物だったり。・・・2200年も前の物なのに、馬の嘶(いなな)きや兵士の呟きまで聞こえてきそうで、見応えのある本でした。
随分前に、何処かの展覧会で兵馬俑や戦車を見た事はあるのですが、細部までアップでじっくり見られなかったので、この写真集は有り難いです。

・・・ 実はこのところ疲れがかなり溜まっていて、昨日はそれでも無理をして買い物に出かけた為、帰ってからもうくたくたになっていたのですが、何故かどうしても すぐ近くの古書店へ行きたくて仕方がなくて、重たい身体を引きずる様にして行ったらこの本を見つけたのでした。きっとこれに呼ばれたに違いありません。

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